自然の中への第一歩 山からの木の切り出し作業! 2002年6月

自分が生まれた実家は、築45年以上経って老朽化が進んでいる。
家の中に井戸があり湿気により基礎部分もかなりやられてしまい建て直しが必要になってきた。
今建っている裏は竹藪がありそこまでに結構な空き地がある。
現在は、畑と庭木が植えてあるがここに新築する事とし、まず庭木の移植と整地を先行させることとした。

竹藪との境部分に親父がここに移り住んだ時に植えた杉の木があった。
今回整地するにあたり伐採した。年輪を数えると45年ちょっと
普通の杉の木だけど年輪に何故か深みを感じてしまう。
こんな杉が4〜5本あった
このうち1本は新築の何処かに使うこととしよう。
活きた化石と言われた「メタセコイヤ」の木が敷地内に3本あった。これも敷地確保のため今回伐採することとなった。枝が覆い 茂り毎年小さな枝を切りによく上った。
竹藪の中に1本の「ケヤキ」がある。このケヤキをなんとか大黒柱にしようと考えている。小さな頃から見て育った木が自分の住む家の一部としてずーっと残していける事は、素晴らしい事だと思う。それも家の大黒柱、何かあってもこの大黒柱を見上げれば何かしら解決方法が浮かんでくるような気がする。今まで我々を見ていてくれたように、家の中心からこれからもズーット見ていてくれる。そんな気がする。
コンクリートの固まりのなかで過ごした十数年。。。。木の香りとこの緑が凄く気分を爽快にさせてくれる。一昨年訪れた白神山地のブナ林と東北の山々、あれ以来自然への思いは徐々に大きくなってきたように感じる。
大黒柱にケヤキを使うとこんな感じ。これまた味のある柱になるよね上の木が家を支える大黒柱に。。。。。。。。。生きてる家って感じがしませんか?
腰壁の部分は、檜を張って木の香り一杯の家にしたいな!それも節があって味のある板がいい感じ!
2002年6月 せっかく山に植林しても山から木を伐採して切り出すには手間が掛かってしまいとても採算が合わず結局我が家も木は市場から買うことになりそうです。小さい頃親父について植林に行った山、あれから30年以上経って木も大きくなったんだろうな。家を建てるに当たってやはり1本は手間が掛かっても自分の山から切り出す事にしました。親父とおじさんと私の3人で木を製材所まで持ち出す事になりました。人力とわずかな機材、トビ、ワイヤー、滑車、ロープ、チルホール、チェンブロックこれだけで山から降ろし車に積み込む事になりました。山に入ってみると思ったより大きな木、本当に出す事が出来るのかな?おまけに谷も越える必要があります。おじさんを除いて親父と私は山仕事の素人。。。。。。。もう大変でした。
久しぶりに入った山、鬱蒼と茂る針葉樹の森、高校を出て社会人になってから行ったことがないんじゃないだろうか。昔はオート三輪に載せて貰って親父と行った記憶がある。この奥に砂防堰堤の工事をやっていて昔に比べ道は随分
整備されていた。と言っても当然舗装はされていなくて土道のままである。途中にゴルフ場が出来たおかげもあって道はよくなっていた。道ばたにはシダが覆い茂り空気は美味しい、当たり前だが澄んだ空気ってこんなにも良いものかって改めて感じさせてくれた。やはり木を切っても商売にならないのか、道のすぐ横も立派な針葉樹(杉かな)が立ち並んでいた。
山の中腹には、既に伐採されたヒノキが倒されていた。

この木を上に写っている車(2トントラック)に載せて製材所まで運ぶのが今日の作業である。左の写真は、かなり斜面の下まで降ろして来たところである。ここまでは先頭でトビを使って引き下ろし、後からは私が渾身の力を込めて両足で押して降ろしたものである。

所々木の下にコロを轢きながらここまで降ろしたんですが、これがまた結構疲れた。この先が谷になっていてワイヤと滑車、チルホールを使って谷越えもしました。

これだけの木を車の近くまでワイヤーと滑車、チルホールで引っ張りました。人力だけでこれだけの事をやる技術、本当に感心しました。このような技術の継承って必要ですね。車の近くまで引っ張ってきた材木は、今度近くの木にチェンブロックを掛け車の上に積み込みました。これまた大変な作業、ユニックなら簡単につり上げる事が出来る仕事も殆ど人間の力と技能で汗をかいてやり遂げて、本当に素晴らしいって感じました。この汗を流して運んだ木材が製材され我が家の家の一部分に使われる。。。。。。。考えただけでワクワクして来ちゃいます。

良い想い出になりました。

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